ベン・ハー
(2014-11-03 00:07:53) by 小川多雅之


 最近読んで面白かった小説です。

 1880年(僕の生まれる100年前)に発表され、後に何度も映画化もされた作品のようです。映画版のほうが有名かもしれません。

 舞台は西暦0年から30年あたり(僕の生まれるだいたい2000年前)でユダヤ人ベン・ハーが主人公の壮大な物語です。

 基本は復讐の物語なのですが、面白いのはイエス・キリストが登場して最後に主人公に大きな影響を与えるところ。

 キリスト教の教えは「汝の敵を愛せ」「右の頬を打たれたら左の頬を差し出せ」というくらい、復讐を良しとはしない思想です。(そう思うとアメリカにキリスト教の思想が根付いているとは到底思えない。日本人の宗教観と大差ないように思う)

 預言にある「ユダヤ人の王」となるものが現れたと聞いた主人公はカタキであり当時の支配者でもあるローマ人を征服し、統治してくれる存在に違いないと期待し。革命の協力者となるべく準備していたら、現れたのは力による支配をするようの者ではないらしいと聞いて戸惑います。

 世の中には無数に物語が存在しますが、アクションものでも戦争ものでもファンタジーでも、相手に力で勝って正義を勝ち取るという内容のものが非常にたくさんあります。相手が悪であり、それを退治することで平和な世の中がもたらされるという設定です。いわゆる桃太郎のパターンです。

 そういう物語って結局正義を実現する手段は力なんですよね。もちろん、そのほうが白熱するし面白いからだと思いますが、モラル的には踏み込みが足りないと感じてしまいます。

 敵を排除するのが正しいのか、その手段としては力(武力)の行使が正しいのか、本当に相手は悪なのか。

 そういう視点で物語を捉えたときに、ベン・ハーはそれをなかなか満たしてくれました。

 

 

 


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